40年後の天気をずばり言い当てる超予報博士

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以下、(40年後の天気をずばり言い当てる超予報博士 (産経新聞) より引用)


 【早読み/先読み アメリカ新刊】


未来の天気:気象変動する惑星から見える熱波、暴風、その他の風景


The Weather of the Future:Heat Waves, Extreme Storms, and Other Scenes from a Climate−Changed Planet


By Heidi Cullen


Harper


■世界6カ所の7年後、17年後、30年後、40年後の「天気予報」


 今夏、ロシア西部は記録的な猛暑で森林や泥炭の火災が発生、日本もアメリカもヨーロッパも連日の酷暑。その一方で、パキスタンはかつてない規模のモンスーン豪雨に見舞われ、大洪水による死者は1300人以上、被災者は累計1500万人に上った。


 世界的に異常気象を起こしたのは「ラニーニャ現象」のためとされるが、これが近年声高に言われている地球温暖化とどのような因果関係にあるのか、まだ科学的に立証されるまでには至っていない。ただ一ついえることは、世界全体の平均気温は1905年から2005年の100年の間に0・74度上昇、このまま二酸化炭素の排出量が増えていけば、2105年には平均気温の上昇は4・0度にまで達してしまうとのIPCC気候変動に関する政府間パネル)の専門家たちがまとめた「客観的データ」があるということだ。2105年にどうなるかはともかく、今生きている人間にとっては、来夏もこの猛暑がやってくるのか、気温上昇が近未来的に恒常化するのか、そのへんはもぜひ知りたいところだ。


 そうした折、「未来の天気」と題するタイムリーな本が出た。本書は、アフリカのサハラ、豪グレート・バリア・リーフカリフォルニア州セントラル・バレー、それにグリーンランドバングラデシュ、ニューヨークの6カ所の5年後、12年後、30年後、40年後の「気象状況」を大胆に予測しているのだ。


 昨今気象衛星の活躍もあって天気予報の当たる確率は限りなく100%に近づいている。が、それにしても、2017年4月、27年8月、40年10月、50年7月と時間を設定し、特定の土地の気象状況を当てるなどというのは、からくりのないマジック・ショーのようなもの。当たらぬも八卦、当たるも八卦という感じではあるが、読んでいくうちに「そうかもしない」と思わせるのは説得力のあるデータと筆力のなせる業か。


 タイトルはタイトルとして、著者が本書で描こうとしたのは、過去の気象データを精査し、それを基に国内外の専門家たちからお知恵を拝借し、設定した6カ所がこの期間にどのように変化、変貌していく可能性があるかという点にある。全地球的な気象状況ではなく、ニューヨークとか、バングラデシュといった特定の場所が特定の時点でどうなっていくのかを予測する試みは斬新かつユニークである。


■「地球温暖化」なんて100年前から言われていた古い話


 著者は、正真正銘「お天気博士」のハイデ・キューレン女史。「クライメット・セントラル」CEO兼務コミュニケーション・ディレクターとしてPBSや天気予報専門テレビ局「ウェザーチャンネル」にレギュラー出演している。チャーミングな風貌と歯切れのいい語り口でお茶の間の人気者になっている。


 コロンビア大学でエンジニアリングを専攻、その後大学院で気象学、海洋大気工学を究め、気象博士号を取得している。著者によれば、現在猫もしゃくしも騒ぎ立てる地球温暖化は、一部科学者たちは100年前から指摘してきたという。今と違っていたのは、当時の科学者たちは、温暖化に対する人的かかわり合い、つまり温暖化の進むプロセスにおける人間の役割とか責任については言及することなく、むしろ宗教的、文化的な理由についてのみ論じ合っており、社会的な広がりを持つまでにはいたらなかったという。


 著者は大胆に言い切る。


 「みな地球の将来は温暖化で大変なことになると言うが、私はそうは思わない。地球は過去も現在も未来永劫生き続ける。地球は何百万年も前、火達磨のように燃え、その後冷却し、氷河期を経て、現在の状態ある。地球が将来どうなろうとも地球は生き続ける。問題なのは地球に生息している動植物であり、われわれ人間なのだ」


 「20万年前、今のロサンゼルスのダウンタウンをのっしのっしと歩いていたマンモスが絶滅したのに比べ、人間はどっこい生き抜いてきた。それは人間にはマンモスにない途轍もないような適応能力があったからだ。問題がその地球が将来、人間が造り出している気象変動下でどう生存していくのか、そのことなのだ。」


■2050年までに世界の「気象難民」は2億人、バングラデシュ崩壊


 著者によれば、6カ所の一つに選ばれたバングラデシュは、毎年モンスーンと干魃(かんばつ)に襲われ、被災地に住む住民40万人が毎年、首都ダッカに移り住み、ダッカはパンク状態。首都から今度はインドへ逃げ出したバングラデシュ人はすでに1000万人に達しているという。ちょうど1840年代、ジャガイモ不作で母国を捨て、アメリカに移住したアイルランド人100万人が移住したように、天候に故郷を破壊されたバングラデシュ人の民族の大移動がすでに始まっているというのである。


 こうした人々はバングラデシュに限らない。著者によれば、2050年までに大洪水や干魃の被害に遭い、故郷をあとに彷徨う人たちの数は2億人に達すると予測している。その人たちを著者は、「気象難民」(Climate Refugees)と命名する。


 世界中の災害を一手に引き受けているバングラデシュのような国にとっては、「気候変動」という言葉は、理論上の学術用語でも政治用語でもない、まさにサバイバルにかかわる悲壮な現実となっているのである。


 ちなみに40年後のニューヨークの「天気」はどうか。著者によれば、グリーンランド、南極の氷河や氷帽(アイス・キャップ)が凍解、それに上昇温暖気流の影響で海面レベルが9メートル上昇、そこへカテゴリー3(5段階のうち3番目の強さ)のハリケーンが襲ってくれば、(本書の表紙の写真のように)ロックウェーズ、コニーアイランドはもとよりブルックリンやクイーンズさらにはロアーマンハッタンまで大洪水になると予測される。また付録の「世界で最もハリケーンや台風の被害を受けやすい地域」としてニューヨークとともに東京および日本の他の都市が上がっているのも見逃せない。


 温暖化と気候変動との因果関係をめぐっては、科学的に立証されていないとする否定論、懐疑論も出ているが、さすがに温暖化が気象変動にプラスの影響を与えているといったポジティブな見解は今のところない。

どうやったらこうなるんでしょう。なぜこんなことになったんでしょうか。





 オバマ政権になって、中国と並んで世界最大の二酸化炭素排出国のアメリカも規制に向けた動きに出た。が、第111議会に民主党が提出した二酸化炭素排出規制により気候変動を防止する法案は法案成立により負担増が見込まれる石炭産業や製造業を地元に抱える議員が与野党を問わず、激しく反発。下院は219対212という僅差で可決したものの、上院は英BPによる原油漏れ事故対策を優先するとの名目で夏休み前の審議をやめてしまった。


 日本の幕末期に米国旅行をしたフランス人思想家、アレクシス・トクヴィルはかって「アメリカという国では、一つの出来事が『不可能なこと』(the impossible)を『起こりそうなこと』(the probable)を通り越して、『不可避なこと』(the inevitable)にしてしまうことがある」と論じた。温暖化を防止するというアメリカの決意が、法律として日の目をみるのに必要な出来事とはなにか。オバマ大統領の強いリーダーシップなのか、利権がらみの政治家どもを動かしうる米国民の良識か、あるいは1836人の命を奪った2005年のカトリーナ級の巨大ハリケーンの再来か。(高濱 賛)


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引用はここまでです。

むしろ笑ったほうがいいかも(笑あなたはどう感じました?