エプソンのドキュメントスキャナ「ES-D200」はScanSnapのライバルに成り得るか

ドキュメントスキャナに注目してみた!!こんなこともあるんですね。

以下、(エプソンのドキュメントスキャナ「ES-D200」はScanSnapのライバルに成り得るか(誠 Biz.ID) より引用)

エプソンのドキュメントスキャナ「ES-D200」はScanSnapのライバルに成り得るか(誠 Biz.ID)


 ほんの一昔前までは、スキャナといえばガラス面に原稿をうつ伏せに置いて読み取る「フラットベッドスキャナ」が主流だった。しかし店頭での売れ筋はここ1〜2年あまりで、シートフィーダに原稿をセットして読み取る「ドキュメントスキャナ」に移行しつつある。コンシューマ向けスキャナの製品ラインアップにドキュメントスキャナのみをそろえるPFUが、BCN AWARDのスキャナ部門におけるシェアを過去5年で5倍近く伸ばしていることからも、スキャナ市場に占めるドキュメントスキャナの割合が爆発的に増加していることが伺える。


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 そうなると黙ってはいられないのが、これまでフラットベッドスキャナを中心に展開してきたメーカーだ。例えば、エプソンが発表した「Offirio ES-D200(以下ES-D200)」である。今回は、このES-D200のデモ機をレビューしたい。


●まずは外観をチェックする


 まずは外観をチェックしていこう。本体上部背面にある給紙トレイから原稿を挿入し、読み取り後は手前に排出するという基本的な構造は、ScanSnapなどほかのドキュメントスキャナと大きく変わるところはない。付属のキャリアシートを用いることで、最大A3サイズの読み取りにまで対応する点もほぼ同一だ。もちろんPCとはUSB接続である。


 同クラス製品の「ScanSnap S1500」(PFU)と比較してまず目につくのは、ボディが大柄であることだ。とくに背の高さは小型のコピー機を想起させるほどで、かなりの存在感がある。


 もっとも、給紙トレイや下部前方の排紙トレイを引き出した状態でのフットプリントはScanSnap S1500とそれほど大きな違いはない。これは逆に言うと、ScanSnap S1500が、トレイを閉じると非常にコンパクトになることの裏返しであると言える。


 また、ScanSnapシリーズにないポイントとして、スキャナ本体に液晶ウィンドウがあり、現在の取り込み設定の情報が表示できることが挙げられる。ScanSnapシリーズで複数の設定を切り替えながら取り込みを行っていると、うっかり変更するのを忘れてしまうことがある。スキャナ本体側で取り込み設定を確認できるというのは、使い勝手がよい。


 本体にスイッチが多いことも特徴だ。ScanSnap S1500は本体に装備されているボタンはスキャンボタン1個のみで、トレイ開閉と連動して電源がオンオフされるため独立した電源ボタンは用意していないが、本製品は電源ボタンはもちろんのこと、操作パネルには項目選択ボタンや実行ボタン、キャンセルボタンといった「スキャナビパネル」を装備している。


ScanSnap S1500と比較する


 続いてES-D200のスペックを、ScanSnap S1500と比較してみよう。メーカーサイトに掲載されている仕様一覧から抜粋したもので(開いた状態のサイズのみ筆者実測)、変更しても差し支えないと思われる表現は比較のために一部を改めている。細かい注釈は省略している場合があるので、購入前に必ずメーカーサイトにて詳細を確認するようにしてほしい。


 ざっと見て目につくのが出力フォーマットの違いだ。ScanSnap S1500はPDFとJPGのみとシンプルだが、ES-D200についてはさらにTIF、Multi-TIFFBMP、PICTにも対応している(OSによって対応状況が異なる)。原本をなるべく高解像度で残しておきたいというニーズにはぴったりだ。


 また、給紙トレイにセットできる原稿の枚数が多い点は、本製品の大きなメリットだ。ScanSnap S1500では50枚(80グラム毎平方メートル)が上限なのに対して、本製品は75枚(75グラム毎平方メートル)までセットできる。紙の厚みによっては100枚を同時にセットすることも可能で、例えば裁断済みの200ページ程度の新書本などは交換不要でいちどにセットできてしまう。いわゆる書籍の「自炊」などを行う場合は、これは大きなメリットになる。


 次にユーティリティ「EPSON Scan」について見ていこう。ScanSnap S1500にはない設定項目がかなりある。目につくのは「明るさ」「コントラスト」という、画像処理ソフトではおなじみのスライダーだ。原稿の地肌の色は飛ばしつつ、かつ文字の色は濃く見せたい場合に便利。モアレ除去やパンチ穴除去といった機能も、原稿の種類によっては重宝する場面があるだろう。原稿を回転する向きをあらかじめ設定できるのも、なかなかの工夫だ。


 その一方、ScanSnapにできて本製品にできないことがいくつもあるのに気付かされる。まず1つは、異なるサイズの原稿をまとめてセットできないことだ。ScanSnapキヤノンのImageFORMURAシリーズでは、異なるサイズの原稿をまとめて給紙トレイにセットしてスキャンが行える。だが、本製品は説明書にも「サイズの異なる用紙を一緒にセットしないでください」とある。A4のコピー用紙で構成された会議資料や、裁断した本など、同じサイズの原稿の束であればなんら問題ないが、領収書などをまとめてスキャンするにはやや不向きだ。


 また、原稿の向きに応じて回転する機能はあるものの、文字列の傾きから原稿の斜行を感知して向きを真っ直ぐにしてくれる、いわゆる斜行補正機能がないことも気をつけたい。おそらく上記で異なるサイズの原稿をまとめてセットできないとされているのは、この仕様とも関連していそうだ。他社ドキュメントスキャナの斜行補正をふだんから多用しているユーザーは、やや戸惑うかもしれない。


 また、重なりを検知する機能として、ScanSnapではおなじみの超音波センサーが搭載されていない点は要注意だ。ScanSnapシリーズの場合、この超音波センサーがあるおかげで、原稿の重なりをほぼ完璧に感知できるわけだが、本製品はこの機構がない。ScanSnapに慣れているユーザーにとってはオンにして利用するのが当然の機能だけに、気になるところではある。これについては最後でも触れる。


●読み取り速度を比較する


 前置きが長くなったが、何はともあれ使って比較してみよう。今回は以下の2種類の原稿を用意し、設定値を変更しながら取り込みを行い、同一条件下でのScanSnap S1500と速度や品質について比較してみた。



1. A4サイズの文字/図版混合の原稿×10枚
2. 裁断済みの単行本100ページ分(50枚)


 (1)は、会議資料やプレゼンテーションの配布データを想定した原稿だ。出力はインクジェットプリンタで、すべてカラーモードで片面印刷を行っている。

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 (2)は書籍の“自炊”(紙の書籍を電子書籍化するために自分でスキャンすること)を意識したデータだ。ScanSnap S1500のセット可能枚数に合わせ、枚数は50枚(100ページ)としている。解像度などの値は、筆者が通常「自炊」の際にプリセットしている値をそのまま使用し、カラー/グレー/白黒(モノクロ)それぞれで、OCRをオンとオフそれぞれの状態で取り込みを行った。文字くっきりは常時オンにしている。


 全体的な傾向としては、低解像度(150dpi)では両者ともにほぼ速度差はないが、解像度が上がるにつれES-D200の速度低下が目立つ。特にテスト(2)で白黒(モノクロ)モード600dpiにした状態では、ScanSnapの1分42秒に対してES-D200は11分23秒と、約6倍もの差がついた。ただしOCRがオンの状態ではこの差は2倍程度にまで縮まる。またファイルサイズについては、同一条件で取り込んだ場合はES-D200のほうがコンパクトになる傾向があるようだ。


 また、一部の補正オプションの有無によっては、速度が激しく変化する。なかでもScanSnapにない「モアレ除去」機能についてはかなりの時間がかかる。一方でアンシャープマスクや向き補正など、処理に時間がかかりそうな補正オプションは、今回の読み取り条件では速度にそれほど影響しなかった。


 ちなみにほかの補正オプションにも言えることだが、機械部分の読取は高速である反面、それを処理するユーティリティ側の速度がボトルネックになっている印象だ。例えば100ページの取り込みが終わった時点で、ユーティリティ側の処理枚数はいまだ60ページ前後の値を示しており、完了までしばらく待たされるといった具合である。同じハードウェア構成でテストしたScanSnapでは機械部分の読取が完了してすぐに結果が表示されるので、PCの処理速度よりもソフトの処理能力に依存する問題と思われる。もっともScanSnapの場合、OCRをオンにした際には相当待たされる傾向があるので、一長一短といったところだろう。


●画質とOCRも比較する


 つぎに画質についてだが、設定値がなるべく同じになるよう合わせたScanSnapと比較すると、かなりボケた印象。特に150dpiではその傾向は顕著だ。「文字くっきり」をオンにしてようやく同等といったところだが、シャープネスがかかって全体的に引き締まる印象の強いScanSnapに比べ、ES-D200のそれは線が太くどっしりとなるため、漢字などは細部がつぶれてしまうことも少なくない。色の飛びも気になるところだ。


 続いて(2)でカラーモードを変更しつつ取り込んだ画像についても比較してみよう。全体的に色が濃くコントラストも強めだが、これはデフォルト値がそうなっているだけで、必要に応じて画質調整のスライダで調整すれば問題ないだろう。こうした時に調整メニューがあるのは心強い。個人的には元原稿の右端部分、やや薄かった文字がしっかり読めるのは好印象だ。白黒(モノクロ)モードにおける写真画像についてはやや極端な差が出ているが、そもそも白黒(モノクロ)モードで写真を取り込むことはあまりないと思われるので、参考としてみてほしい。


 次にOCRの認識率についてみていこう。日本語と英語が入り交じった横書きのテキストについては、300dpiの解像度において、ScanSnapと認識率の差はそれほどなかった。ちなみに「文字くっきり」や「モアレ除去」をオンにすると認識率が向上する傾向からも、やはり全体的にボケていることは少なからず影響しているようだ。OCRを使う場合は「文字くっきり」のオプションをオンにすることをお勧めする。


 以下がOCRで読み取ったテキストの比較である。認識間違いの箇所には赤い印を付けている。ちなみにScanSnapでは句読点を問答無用で半角にする傾向があるが、ES-D200ではこうした癖は特に見られず、全角で処理されている。


 なお、OCRのテストは300dpiでのみ行い、150dpiでは行っていない。というのも解像度を150dpiに設定してOCRをオンにしようとすると、ES-D200は「テキスト検索が可能なPDFを作成するには、適切な解像度を設定してください」というアラートを表示し、スキャンできないからだ。ScanSnapでは150dpiでもOCRをオンにでき、精度もそこそこなのだが、いかんせんES-D200ではスキャン自体行えないので比較のしようがない。もっとも前述の150dpiでの画質を見るにつけ、OCRはちょっと厳しいのではないかという気もする。


 ところでES-D200で個人的に気になったのは、添付のユーティリティ「EPSON Scan」で、読み取り完了後に任意のアプリケーションを起動できないことだ。ScanSnapであれば読み取ったあとに自動的にScanSnap OrganizerやAcrobatを立ち上げたり、あるいはEvernoteを起動して自動的に登録するといったワザができた。本製品ではアプリケーションを起動するのではなく保存先のフォルダを開くことしかできないため、読み取ったデータを確認するのにもうワンクッション必要となる。


 また、「EPSON Scan」と「EPSON Event Manager」という2種類のユーティリティを添付しているが、これが分かりづらい。両者の違いは大雑把に言えば「PC側で操作する時はEPSON Scan、本体スイッチで操作する時はEPSON Event Manager」ということになるのだが、これがどうにもややこしく、挙動がつかみにくい。「EPSON Event Manager」では本体側の液晶画面に設定情報を表示できるなどメリットも多いだけに、このあたりの分かりやすさの改善も望みたい。


●まとめ:多くの枚数をセットできるのはメリットだが、重送検知に課題


 以上ざっと見てきたが、一度にセットできる枚数が多い点は大きなメリットだ。解像度の違いや補正オプションの有無によって速度や品質が大きく変動する点や、傾き補正がないのは気掛かりだが、本まるごと1冊セットできるというのは、最低でも2〜3分割してセットしなくてはいけないScanSnap S1500にはないメリットである。原稿の追加セットの手間が不要なことが、読取時間が長いことを相殺して余りあるというわけだ。この特徴だけをピックアップすれば、電子書籍の「自炊」に向いた製品である――ということになる。


 ただ、今回試用していて、こうしたセット枚数に関するメリット以前に、どうしても気になった点がある。それは「重送を検知せずに見逃したケースが何度かあった」ということだ。ScanSnapであれば、重送、つまり紙の重なりを検知すると、ユーティリティがエラーの発生を表示し、最後に読み取った原稿を表示するとともに、原稿を何枚か戻したうえで続けて読み取るか、それとも中止するかを選択できる。あまり見たくないダイアログではあるものの、少なくとも重送をしっかりと検知して対応をしてくれるという意味では、信頼がおける。


 ところが本製品では、重送が発生しているのにそれを見逃す場合がある。前述の(1)のテストにおいても、10枚ある原稿のうち8枚しか読み取らずに知らん顔をしていることがあったくらいだ。相性が悪い特殊なコート紙などであればまだしも、インクジェットプリンタで出力した一般的なPPC用紙だったことを考えると、やはりちょっと怖い気がする。


 本の自炊でなによりも怖いのは、元の本を処分してしまったあとで、ページの抜けに気がつくということだ。ページが回転しているとかカラーモードを誤判定しているのであれば手のうちようがあるが、ページが欠落しているのにあとから気がついても、まったくどうしようもない。再入手不可能な本であればそれはもう致命的だ。


 その点(あくまで筆者の経験上ではあるが)必ず何らかのアラートを出してくれることから安心感のあるScanSnapと違い、本製品はいまいち信頼が置けない。これが超音波センサのないことに由来するのか、それともユーティリティレベルの問題かは不明だが、この問題がある限り、個人的にはおすすめしにくいというのが率直なところだ。救いがあるとすれば今回試用したのが発売前の評価機であるということで、製品版で修正されていることを切に願いたい。【山口真弘,Business Media 誠】


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引用はここまでです。

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