あの優良物件も叩き売り“落日”不動産ファンド後始末
不動産ファンド、私独自の見解です。えっ、って思わず声が(笑
以下、(あの優良物件も叩き売り “落日”不動産ファンド後始末(産経新聞) より引用)
どうやったらこうなるんでしょう。本当に驚きました。
【ドラマ・企業攻防】
隆盛を誇った新興不動産投資ファンドが落日を迎えている。その象徴が、6月1日に大証ヘラクレスを上場廃止となったダヴィンチ・ホールディングス。有名物件を次々に買い集め、資産運用規模が1兆2千億円まで拡張したが、一昨年のリーマン・ショックを境に投資マネーが逃げ出し退場を迫られた。今後、他のファンドも含め在庫一掃セールが始まるが、高値につり上げられた物件の買い手は見あたらない。
■逆張りで高値づかみ
「明らかな高値づかみ。破綻(はたん)も時間の問題だった」
ダヴィンチは、米国で不動産投資の実績を積んだ金子修前社長が平成10年に設立した。「20%超」という高い利回りを“約束”し、米ロックフェラー財団や国内の企業年金基金などから資金をかき集めた。
「『他社が手を出さない時がチャンス』が持論で、不動産不況下で売りに出される物件を“逆張り”で次々と買いに出た」(大手証券関係者)
18年には、通称・軍艦ビルと呼ばれる「芝パークビル」(東京都港区)を約1430億円で買収。さらにJR東京駅前の「パシフィックセンチュリープレイス丸の内」(同千代田区)を約2千億円で落札し、その名を世に知らしめた。資産規模は20年に1兆円を超え、絶頂期を迎える。
そこにリーマン・ショックが襲いかかってきた。
■資金一斉引き揚げ
少ない元手で、銀行の融資を引き出し、「レバレッジ」(てこ)の原理で高額物件を手に入れるのがダヴィンチの手法。買収資金のうち銀行借り入れが7〜9割も占めた。
しかし、米国の住宅バブルの崩壊で巨額の損失を負った頼りの欧米投資銀行が一斉に資金を引き揚げ始めた。邦銀も融資を渋り、ダヴィンチの資金繰りは急速に悪化。マネーの供給停止で不動産市場も凍り付き、物件を売り抜けられず、そのビジネスモデルはあえなく崩壊した。
21年秋にはパシフィックセンチュリー買収のローンの借り換えに失敗し、デフォルト(債務不履行)に陥る。ビルは債権者の手に渡り、その後、米投資ファンドに、ダヴィンチの落札価格よりも数百億円安い値段で買いたたかれた。
ダヴィンチは21年12月期に転落した110億円の債務超過を解消できず、上場廃止に。その後、米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループが、BNPパリバから債権を取得し、実質的に支配下に置いた。今後、物件処理などを進めるとみられているが、安値で手放せば、巨額の損失が発生するだけに、前途は多難だ。
「とにかく高くて話にならない」と明かすのは、軍艦ビルの買収を検討した不動産業界関係者。同ビルは買い手がつかないまま、デフォルトの観測も浮上し銀行が融資期間を延長し、何とかしのいでいる。
19年にダヴィンチが森トラストと共同で2300億円を投じた「虎ノ門パストラルホテル」。再開発を目指し解体工事は始まったが、「何を建設するかは未定」(森トラスト)という状態で、再開発の行方は、不透明だ。
■消えた担い手
リーマン・ショックで行き詰まった新興不動産ファンドは、ダヴィンチだけではない。昨年1月には、クリードが、同3月にはパシフィックホールディングスが会社更生法の適用を申請し破綻した。
ただ、その処理物件は「動いていない」(業界関係者)という。仕入れ値が高いことに加え、不動産市場に投資マネーを呼び込んできたファンドの凋(ちょう)落(らく)で市場は冷え込んだまま動かず、それに代わる新たな買い手が現れないためだ。
業界では「元気なのはチャイナ・マネーぐらいだが、数千億円規模の高額物件はまだまだ下がると見ているのか、手を出してこない」(同)との声も。
米系不動産サービスのジョーンズ・ラング・ラサールの濱岡洋一郎社長は「物件処理には、市況が反転する必要があるが、その時期は早くて今年の後半」と指摘する。
リーマン・ショックを教訓に世界の金融当局では、リスクの高い取引を制限する規制強化の動きが広がっている。不動産投資などリスクマネーの供給は先細りするばかりだ。
「投資マネーが不動産価格をつり上げる時代は終わったかもしれないが、リスクを負う担い手がいないと市場は活気づかない」(大手銀行幹部)
バブルの後始末にはなお時間がかかりそうだ。(大柳聡庸)
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引用はここまでです。
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不動産ファンド危機の構図
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